親の介護に苦悶するフィリップ・シーモア・ホフマン。人材派遣問題を描くケン・ローチ監督。そして僕は途方に暮れる……
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2010/02/03
- メディア: DVD
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
『マイ・ライフ・マイ・ファミリー』監督: タマラ・ジェンキンス
原題は『The Savages』
歳老いた親の世話、あるいは親の最後という時間を、見送る側(子供)としては、彼等になにがして上げられるのか、又、何がしてあげられることができないのか? といった問題を描いたもの。子のほうは兄と妹で、二人ともすでに40オーバーの独身という有様。親のほうは痴呆の描写から始まり自身のウンコで壁紙に「ファック」と手でドローイングするというステキな朝から始まる。
《感想》
アメリカ産の作品は何を見ても何を読んでも「家族の話」ばかりなので、金さえあれば、日本と違ってわりと暖かい老後が期待できるものだとばかり思ってきたが、この映画をみるともうっとくにアメリカの事情も日本と変わらないのだと思い至った。
と同時に、いまの自分の状況も、この映画とかなり近似した環境へと迫りつつある事情がリアルにあるため、この映画を観たことによってある種の解決やヒントを得ることができるのでは? といった視点でも見てしまった。んが、もちろん何視点であろうと、解決も、最善も、最良も、偽善もなく終わるんだろうということをふっすらと考えている。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2009/04/03
- メディア: DVD
- クリック: 76回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
『この自由な世界で』監督: ケン・ローチ
セクシーだが子持ちの女の子が友人と二人で人材派遣会社をつくり、移民男子らを積極的に斡旋するのだが、イギリスにおける労働問題や移民問題といった制度、あるいは搾取する側になってはじめてたち現れる、利己的な問題などに対して、彼女たちが「どう、受け止めるべきか」的に描いたもの。
《感想》
他者の利益のことというのは「考える」ことなのかそれとも「想像をする」ことなのか? などなど自分に置きかえるなどしたくなる作品だった。さらに言えば、90分程度しかないため映画の終わりも、いちようまだこの先十分に続けれそうな展開であっため、今後、主人公の娘がベニスの商人みたく歩むのか、それとも袂を分けた友人の価値観(移民に同情的)のほうへとより戻ってゆくのかどうも気にならないほうがおかしいという塩梅。