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東尾張乱射事件

【次回の記事予定】「お金」で「愛情」や「友情」が買える『脳内麻薬 ドーパミンの正体』を読んだ感想。

NUDE or Higashi

Owari Ranshajiken

ざわざわざわざわ

はじめての手術(鼠径ヘルニア)

 もう何年も前からぷくりと膨れている。脚の付け根部分、股間の根元あたり。いわゆる金玉袋の根元あたりといってもいい。もしこの膨らみが、なにか性的なポテンシャルを示唆したり、ベッドインしたのち、即、ビックだね!的なニュアンスでもって歓接されうる身徴だとしたら、おそらく僕はこの下半身の一部の膨らみを、一生愛してやまないだろう。
 この膨らみは内科の先生曰く、内蔵を包む腹膜というものが飛び出しているのだという。つまりビックでもなければ、ブギーナイトでもなく。ドン・ファンとなりうる可能性などはじめから皆無。むしろ腸閉塞の可能性(ぽっくり)が大いにあるという。さらに「放っておいても、これは治るものじゃない」とも先生はおっしゃる。くわえて「手術をしても二三日の入院だから」とそう言って、手術を受けるに必要なぶんの検査をすすめてきた。
 というわけで、今週の水曜日に手術入院をすることになった。
 二泊三日なので金曜日には退院できる。そんな短日なら、どうってことないといえばそうなるが、いちよう全身麻酔をされて、腹を刃物で割かれ、お腹のなかの内容物をゴニョゴニョやられるのだから、不安がないなどと云うほうがどうかしている。
 あと一つには羞恥心。
 先生は何も言っていなかったが、おそらく剃毛処理をされるのではないかと勝手に予想している。
 俗にいうパイパン
 なかにはアンダーヘアに自信があるんだよね、というポジティブシンキングな御仁がいるかもしれない。そんなの気の持ちようだと。
 しかし、その黒いアンダヘアーのライン際を、ゴム手袋をはめた他人の手が二通りに動く。一つは職務的に。一つは何故かぎこちなく、動くのだ。悲鳴のようなジョリジョリとした擦過音が最初はつづく。やがてヘアは泡と混濁し、数秒後には、そのいっさいがつまびらかに剃毛されつくされている。朝日のごとくまぶしい己の恥部を視界に認めた瞬間、彼は、それでも顔色ひとつ変えないでいられるのだろうか? 
 あるいは僕は……
 これはヒゲを剃った経験、あるいは全身に分布する剃毛地区をじっさいに剃ったことがある御仁ならば、あのなんともいえない罪悪感、忸怩感というのだろうか? そのような感覚を自身の恥部を間近において、名前も知れない他者と対峙できるものなのだろうか?
 と、そんな心理試行を自身に課してみたい。

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