ＰＣに染み入る蝉の声。

USTREAMそらの的マニュアル (INFOREST MOOK)

『ＵＳＴＲＥＡＭ　そらの的マニュアル』そらの（著）
　ユーストを観る！ユーストを使って中継する！　その２点を初心者にむけて解説した本。オールカラーに近い図解入りで、たいへんに組みしやすい本。
　僕は佐々木俊尚氏のつぶやきで知った。中継の際に用いられる機材（カメラ・マイク）などの解説もあるとあったためである。
　といったわけで、単にユーストを観るぶんには、なにも本まで買う必要はない。けれどなにやら中継をしてみたい、とまでいわなくとも、どうかしてその楽屋裏的な詳細（機材）を知りたいという輩には、なかなか親切であった。
　とはいえ不満がないわけではなかった。たとえばマイクひとつとっても、使用されているマイク（サムソンＱＬ５）が、「優れている」といったリコメンドはともかくとして、仮に「エラー機材」として判断される場合は、どんな不具合を起こしがちなのだろうかとか、モニターはどうか等、中継におけるＮＧ談などがあるとより嬉しかった。

◆最近に観たユースト◆
　名古屋には気の利いたトークイベントがないため、ロフトチャンネルのトークバトルを羨ましく視聴している。
『平野悠の好奇心・なんでも聞いてやろう「オウムて何？」』
【出演】
平野悠（ロフト席亭）
岩本太郎（フリーライター）

【ゲスト】
上祐史浩（「ひかりの輪」代表）
広末晃敏（「ひかりの輪」副代表兼広報部長）
野田成人（元オウム真理教幹部）
鈴木邦男（一水会顧問）
　

『町山智浩帰国トークライブ』

映画『インセプション』の批評や、映画批評そのものの表現についてのトークなど。
ちなみにロフトチャンネルのユーストにあがっていたものは切れてしまった。（ユースト録画尺が3時間らしい）

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フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略

『フリー』クリス・アンダーソン（著）

競争市場においては、価格は限界費用まで下落する

真偽はともかく、本ではこういったモノが無料になるという解説がわんさとあった。車やら医薬品やらなにやら……
　
〈感想〉
　半信半疑で手にとったがかなり面白かった。
　といえその味には、何がある特殊なスパイスが効いているのも事実。
　まず、この本にかかれている効能というものがあるとする。一つには純粋読み物としての美味。もう一つは欲張り屋さんであるということ。
　この本を解釈しようとする人というのは、おおかた新しもの好き読者であると同時に、消費者という主観をべつに意図せずとも持ち込んでいそうだということ。本のタイトルを見た時点で、想定できそうな効能（無料）への期待（欲望）をしている。まるでフリーソフトを落とすときのような、あの心持ち。で、じっさいに書かれてある様々な「無料事例」を読むにつけ夢想してしまう。フリーであることのマジック。自己洗脳かもしれない。あるいは真実への運動。もはやここに書かれてある未来は疑いようがないな、ぐらいのことを。
　たぶんその前提は、本にも少し書いてあったけれど、ある権威者が決めた「希少価値」や「ルール」に、これまで自分が御され　ていたということかもしれない。そうしてそのルールがじわじわ変わるかもしれないというのだから、希望や期待や変革への願望を持つな、というほうがしんどいのかもしれない。40万人が無料で歓喜したらしきウッドストック現象というべきか？