『福音書』と『ツァラトゥストラ』
『福音書』(岩波文庫 塚本虎二訳)
- 作者: 塚本虎二
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1963/09/16
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マルコ福音書
マタイ福音書
ルカ福音書
ヨハネ福音書
いわずとしれたバイブル。
上の四つが抜粋収録されている。
読んでみてあらためてわかったことは、この四ついずれもイエス誕生から磔刑にいたるまでの同じエピード集だということ。
ただヨハネ福音書のみ別物ということになるらしい。というわけで読むのに大いに骨が折れた。
あと一つ驚いたこととして、マリアは三人存在するということ。母なるマリア。娼婦のマリア。双子のマリア? と。
あと訳者によって違うのかもしれないけれど、この岩波版の主人公、神のひとり子、イエスはかなりツンデレ調であるということ。バリサイ人(知識人)だけでなく、信じないものに対してはしじょうに冷たい。さっさと見切ってしまう。なのでおそらくこういった無情げなふるまいから、反キリスト者が出たというのもうなずける。
ツァラトゥストラはこう言った 上 (岩波文庫 青 639-2)
- 作者: ニーチェ,Friedrich Nietzsche,氷上英廣
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1967/04/16
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- 作者: ニーチェ,氷上英廣
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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というわけで同じく岩波版の『ツァラトゥストラはこう言った』ニーチェ(著)を併読している。
けれどこちらはまだ下の半分までしか読めていない。
さらに『福音書』と『ツァラトゥストラ』はかなり設定が似ているということも初めて知った。
似ているというよりも、『ツァラトゥストラ』は『福音書』で救われなかったものを勇気づけることに費やされているように読めた。
ようするに世界は滅びもしないし死後の世界もない。だから気高く欲望のなすがままに生きよ諸君!といったぐあい。ただ下巻に入ると、なんらかの観念が記号的な役割を担いながら、妄想的に激しく、時にだらだらと語りの世界一色になるため、さすがに速読ではないけれど、てきとうに目で文字を追うという読み方になってしまった。
そもそも享楽とは享(う)けるものでそれを欲するということはよくない。
byニーチェ